大分大学
知能情報システム 工学科
助教
大城 英裕
専門分野
物体モデリング・柔軟性推定
研究概要
・物体の作用・反作用特性観測に基づく柔軟性を考慮した映像からの物体モデリングシステムの開発
本シーズでは,柔軟物体を画像特徴点に基づいた多数のパーティクル(粒子)の集合で表現し,与えた作用と各点の反作用(挙動)の観測から物体の形状と柔軟性を推定し,現実の柔軟物体を仮想空間中に再現することを目的とする.
まず,画像特徴点の決定には,簡単な画像特徴テンプレートを組み合わせて用いる,頑強で高速なadaboostアルゴリズムを用いる.また,特徴点追跡では,特徴点間の幾何的な出現の程度を確率で表現し,最尤定法を用いて時間軸上での同一画像特徴点の対応付けを行う.
外部からの作用に対する柔軟物体の画像特徴点の軌跡を3台のカメラで追跡することで,3次元物体形状の変化の様子を得る.要求される解像度に応じて,質量均一のパーティクルを3次元の物体形状に均等に配置し,外部からの作用に対する観測された画像特徴点の挙動に合致するパーティクル間の引力・減衰係数を有限要素法で求め,物体の形状ならびに柔軟性を推定する.
研究テーマ及び得意とする技術
・物体の作用・反作用特性観測に基づく柔軟性を考慮した映像からの物体モデリングシステムの開発
本課題では,柔軟物体のモデリングという新たなテーマに取り組んでいる.従来の硬いモデリングから柔らかいモデリングが実現されることで,自然が持つ物体のしなやかさ,柔らかさをコンピュータに取り込み,コンピュータグラフィクスで再現できる可能性を持っている.また,物体のねじれや破壊にも対応可能で物体全般を扱えるモデルとなっている.
応用として,風になびく実際の樹木の枝葉の動きを再現することが可能である.また,樹木以外のコンピュータグラフィクスモデルに利用することも可能である.さらに,しなやかさ,柔らかさを持つ現実のオブジェクト製作に関しても,シミュレーションデータの提供が可能と考えられる.
本課題は,昨今,注目されている自然が元来有している「人への癒し」,「自然の温もり」を再現する,映像生成を中心とした表現技術の一つとして考えることができる.
産学連携の実績及び研究提案等
画像処理,画像認識,画像理解,コンピュータビジョン,ロボットビジョン全般
キーワード
物体モデリング・柔軟性推定
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