大分大学
知能情報システム工学科
准教授
大竹 哲史
専門分野
LSI製造テスト、フィールドテスト、故障検出・劣化検知、テストコスト削減、テスト容易化設計、テスト生成
研究概要
LSIはコンピュータの主要な構成要素としてインフラシステムからパーソナルシステムまで広く用いられており、社会や人々の生活の安全・安心・安定を実現する上で、その高信頼化が不可欠です。これらを考慮した設計とテストおよびその自動化に関する研究を行っています。
研究テーマ及び得意とする技術
1.製造ばらつき・経年劣化に対応する論理設計・テスト技術
半導体製造プロセスの微細化により顕在化した、製造ばらつきや経年劣化を把握するための、タイミングマージンテストが課題です。これまでに、オンチップでの微小遅延故障の検出技術を開発しました。
2.温度均一化組込み自己テスト(BIST)
微小遅延故障を検出するためには、消費電力や温度の制御が不可欠です。これまでに、BISTにおいて、テスト実行中にチップ上の温度が均一になるテスト設計および実行方法を提案しました。
3.高品質BIST
BISTには、ランダムパターンを発生する回路を用います。ランダムパターンの元になるシードによりその品質が左右されます。これまでに、高品質なテストを行うためのシード生成法を提案しました。
4.GALS(大域非同期局所同期)システムの論理設計・テスト技術
現在、回路の遅延を増加させる要因が多数顕在化しており、今後、遅延の増加に耐性のある非同期式回路が部分的に利用されると考えられていますが、その設計・テスト技術は未完成です。そのため、GALSシステムの設計およびテスト技術の研究を行っています。これまでに、非同期記憶素子に対するテスト容易化設計法を提案しました。
5.データマイニングによるテストコスト削減技術
近年、LSIのテストにおいて、膨大なテスト結果を解析し、不要なテストパターンやテスト項目、テスト工程などを調べたり、故障チップ予測やチップの信頼性予測をしたりする方法が検討されています。これまでに、一部のテスト結果から、その後のテスト行程でフェールするチップを予測する手法を提案しました。
産学連携の実績及び研究提案
これまでに携わってきた産学連携としては、半導体理工学研究センターとの共同研究(1997年度?2008年度)があります。 現在は他大学とも連携して、国内複数の総合電機メーカー、半導体メーカーとの共同研究を行っています。さらに、開発技術の産業界への技術移転や、実用化対応なども積極的に行っています。
実際に役立つ技術の開発のためには、産業界からのニーズやフィードバックが欠かせません。現場での問題などをお聞かせいただき、それを解決するため、共同で新技術を研究開発できれば幸いです。
キーワード
LSI製造テスト、フィールドテスト、故障検出・劣化検知、テストコスト削減、テスト容易化設計、テスト生成
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