大分大学
電気電子工学科 電子コース
助教
楠 敦志
専門分野
人工媒質・電磁波用回路素子・最適設計・FDTD法・遺伝的アルゴリズム
研究概要
・人工媒質による電磁波用デバイスの解析および設計に関する研究
近年の微細加工技術の急速な進歩により,自然界には存在しなかった様々な人工媒質の作製が可能となっている.通常の誘電媒質に,種々の形状を持つ微少な導体を埋め込むことによって構成される媒質は,biansiotropic媒質と呼ばれており,オリジナルの媒質とは異なる電磁気的特徴を持つ.例えば,らせん導体を埋め込んだ媒質は円偏波2色性および複屈折性を示す.また,回路基板の一方にアルファベットのCの形をした導体を組み合わせたスプリットリング共振器(split ring resonator)を,他方に直線状の導線を貼り付け,それらを格子状に組み合わせて構成された複合媒質が報告されている.この媒質は,特定の周波数において誘電率及び透磁率が負の値を示す.従って,これらの媒質を利用した各種デバイスの応用が期待されている.
本研究課題は,これらの媒質を組み合わせることにより,従来の媒質では実現できなかったユニークな特性を持った電磁波用デバイスの理論解析および最適設計を行うことである.解析手法としては,各種形状の導体が埋め込まれた媒質を微少な空間に離散化し,FDTD(Finite Difference Time Domain)法を適用することによって媒質内外の電磁界の解析を行う.また,デバイスの最適設計においては,各種デバイスの設計条件を考慮して汎関数を定義する.この汎関数の最適化問題に対し,最適化法の一つである遺伝的アルゴリズム(genetic algorithm)を適用すれば,所望の特性をもつデバイスの構成パラメータが得られる.
研究テーマ及び得意とする技術
・電磁波用デバイスの最適設計用のアルゴリズム
・電磁波用デバイスの2次元及び3次元電磁界解析
・2次元及び3次元の時間領域電磁波散乱問題の解析
産学連携の実績及び研究提案等
電磁波の散乱および伝搬に関する理論解析および数値シミュレーション
キーワード
人工媒質・電磁波用回路素子・最適設計・FDTD法・遺伝的アルゴリズム
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