大分大学
知能情報システム工学科
教授

田中 康彦

専門分野

有限単純群・分類定理・再構築・局所解析・局所幾何

研究概要

(1)単純群の分類定理の証明をもう一度整理しなおし簡易化,縮小化するための研究,および,その際に生まれた新たな原理を使って単純群の構造をさらに深く調べる研究を行っている。

 これまでの単純群の分類を振り返ってみると,技術的には単純群のさまざまな部分群の性質(局所的構造や埋め込まれかた)を調べること,現象論的には素数2の特殊性(素数2についてのみ成り立つ事柄,成り立たない事柄)を解析することが重要であった。

 この二つに着目すると,単純群の部分群が素数2に関してよい性質をもつとはどういうことかを明らかにすること,またそのような部分群を探し出す方法をつきとめることが重要になると思われる。

 現在のところそのような部分群を探すための手段として,単純群の素数グラフの構造と,それに付随して現れるいくつかの部分群の性質を調べている。これにより,すでに研究が進んでいる可解群のアマルガムの構造を解析する方法を一般のアマルガムにまで拡張すること,さらにアマルガムに付随して現れる幾何学を解析することが可能になる。

(2)有限単純群には興味深い有限幾何が付随していて,群の構造と幾何の構造の間には互いに密接な関係がある。Lie型の単純群においては,アマルガムの構造を調べる問題は、共通のBorel部分群を含む極小放物型部分群たちの構造を決定する問題に対応することに注意しよう。そうするとアマルガムの構造を調べる問題は,単純群に自然に付随する幾何学的対象を記述する問題とも解釈できるわけで,Lie型でない単純群をも含む一般の単純群論を構築するためにも有用である。

 有限単純群の分類を複雑にしている大きな原因に,散在型単純群と呼ばれる一種の奇形の存在があげられる。これは PSL2(4) @ PSL2(5) のように,小さい単純群の中には二つ以上の異なる標数のLie型の単純群となるものがあることとも関係がある。散在型単純群に付随する幾何を調べることにより,まだ詳しく知られてはいないそれらの奇形が生まれる理由を解明することが期待できる。

 

研究テーマ及び得意とする技術

1. シロー型の定理の応用計算

2. 元や部分群の融合の計算

3. 二元体上の表現空間における固定点空間の余次元の計算

4. 二元体上の表現を通した局所部分群の構造の分類

 

産学連携の実績及び研究提案

特になし。

 

キーワード

有限単純群・分類定理・再構築・局所解析・局所幾何

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